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Gibson J-45とはどんなアコギ?魅力は? ~ 斉藤和義の表現

アコギ

斉藤和義のメインアコギ Gibson J-45

斉藤和義はアコギ、エレキ含め100本以上のギターを持っていて、その中でもベストの一本を選ぶとしたら、サウンド、ルックスからも、迷わずアコギのGibson J-45″1号”と断言しています。1号とは初めに手に入れたJ-45であり、J-45自体は複数所有しています。 ひとえにGibson J-45といっても様々な種類、個性があって斉藤和義のGibson J-45″1号”は次の通りです。

[モデル] 1968年製
[カラー] エボニー・フィニッシュ「黒いルックスからリフを弾きたくなる」
[サウンド] 「少しガットギターの音が混じってる感じがあり、軽くオーバードライブがかかったひずんだ音がする。自身の歌の音域とケンカせず相性が良い。」
[ピックアップ] なし「付けたくないからレコーディングや弾き語りのみでJ-45″1号”を利用」
[サドル] アジャスタブルサドル(弦の高さを調整可能)を固定サドル(弦の高さは固体)に改造


ギターの「音」は聴いてみて感じることはあっても言葉で示すのは難しいです。しかしこの斉藤和義のGibson J-45の「音」に関する表現は実に的を得ています
僕も斉藤和義に憧れてGibson J-45を買った一人ですがこの音の表現イメージを軸にいくつかのJ-45を試し弾きして最終的に一つのJ-45に決めました。

「自身の歌の音域とケンカせず相性が良い」

J-45の中音域でまっとまった音が余計な高音を含まないことから、ボーカルの声域と重複せず、弾き語りにおいても相性が良いということです。またバンドで他の楽器演奏の中でもアコギ音が埋もれにくいという特徴があります。
これはJ-45を弾きながら歌ってみると良くわかります。ギター屋さんでの試し弾きではさすがに歌はつけにくいですが(もちろんやってみてもOK!)、良いJ-45に巡り合うとギターの音が中音域でまとまっているという感覚をつかむことは出来ると思います。


J-45×弾き語りを宅録してみれば感覚ではなく目で見てこの表現を理解できます。
どいうことかと言うと、弾き語りを宅録する手順を簡単に示すと①ギターを録音 ②歌を録音 ③ミキシング(音を編集)であるが、③ミキシングではギターについては一般的に低い音域(空調音や生活音等)や高音(キンキンする部分)を音の波長、ボーカルとのバランスを見てカットするがJ-45の場合はカットする前でも無駄な低音・高音があまり存在していないことが音の波長により目で見てわかります

以下の関連記事でこのあたりのミキシングのことについて少し触れました。

関連記事:宅録、演奏、音源編集・DTMにおける音作りのコツ

「少しガットギターの音が混じってる感じがある」

ガットギターとはナイロン弦を使うクラシックギターをイメージすればいいかと思います。ポロンという暖かい音がします。僕も実家に親のガットギターがありその響きには馴染みがありました。


J-45でこの表現を感じるには、特にベース音が高い音で構成されるコード「D」「A」あたり弾いたらその意味が良くわかります。
コード全体で弾くストローク、1音ずつ弾くアルペジオのどちらでも良いです。
完全にガットギターと同じではないが、キラキラ輪郭のしっかりした感じとは違う、やさしく素朴な心地よい響きです。


この音を生み出しているのは、やはりJ-45のメイン木材(一般的にサイド&バック、ネックに利用)であるマホガニーによるところが大きいです。ちなみにマホガニーの木材自体が近年減って値上がりしていることもありマホガニーが使われている箇所も年代や個体により異なります。

「軽くオーバードライブがかかったひずんだ音がする」

特に中低音のコードで、開放弦を含む「E」や「A」、バレーコードであれば「F」あたりを弾いたら「このことか!なるほど!」と納得いくはずです。
他のアーティストもよく言っている話ですが、中音域の音がまとまってズドンときます。
無駄な高音や低音がほどよく抑えられておりその音の束が自然なひずみを生んでいるのかもしれません。

多くのアーティストが利用するGibson J-45

桑田佳祐
奥田民生
山崎まさよし
秦基博
桜井和寿(ミスチル)

など多くのシンガソングライターが利用しています。

声の音域や曲の雰囲気が影響するかだらと思いますが、男性アーティストに多い印象です。

音の良し悪しについて個体差が大きいと言われるGibson J-45ですが、アーティストそれぞれに J-45との出会いのストーリ・感じた魅力があるようです。

Gibson J-45の一般知識

Gibson J-45はアメリカの老舗ギターメーカであるGibson(ギブソン)により1942年にリリースされました。MartinのD-28と並び、代表的なアコースティックギターとなっています。

<イメージ>

Martinのアコースティックギターはきれいな音色の優等生、Gibson J-45は“The Workhorse”というGibsonが自らつけたニックネームのとおり良く働き元気で素朴なイメージがあります。

<形>

Gibson J-45の形は一般的なアコースティックギターの形・大きさとされるラウンドショルダー型がメインです。生産された年代により主にギター木材の材質やサドル(弦がギターのボディ側と接するところ)が異なります。年季が入っていても保存状態がよく木材が最適に乾いた状態の古いGibson J-45はビンテージギターと呼ばれ、かなり高額になります。斉藤和義のGibson J-45″1号”は1968年製、奥田民生のメインGibson J-45は1958年製ですね。

<木材の特徴>

歴代のGibson J-45に使用されている木材の特徴は何といっても「マホガニー」です。マホガニーは柔らかい材質で加工しやすく高級家具にも使われています。アコースティックギターに使われると乾いた柔らかい音がするのが特徴です。

ギターの木材のパーツは「ネック」「トップ(ボディのうちサウンドホールがある面)」「サイド(側面)」「バック(ボディのうちサウンドホールがない面)」で構成されており、Gibson J-45は年代によりどのパーツにマホガニーが使われているかも異なります。昔のGibson J-45はトップはスプルース、それ以外はマホガニーというのが一般的でしたが、近年はマホガニーの稀少性があがっておりアコースティックギターにおいて多くのパーツにマホガニーを使うほど値が上がる傾向があります

<サドルの特徴>

サドルは弦がギターのボディ側と接するところに使われる細長い板を指しますが、Gibson J-45は年代により2種類のサドルが採用されています。

 ①ノーマル サドル :特に特徴のない、一般的なサドルです。

 ②アジャスタブル サドル :高さをネジにより調整できるサドルです。

アジャスタブル サドルはその構造から少しジャキジャキした音になりやすいと言われますが、どちらのサドルが良いかは好みによります

<ピックガード>

Gibson J-45にも通常のものやラージサイズのピックガードがあります。一般的にGibson J-45のピックガードというと特徴的な形をしたラージサイズをイメージする場合が多いと思います。↓に僕のGibson J-45の写真をのせましたがサウンドホールに沿って貼られている白い形のやつですね。

筆者のGibson J-45

<生産ライン>

Gibsonのアコースティックギターは通常のレギュラーラインで生産されるほか「カスタムショップ」で生産されているものがあります。カスタムショップ製とは、Gibsonの腕のたつギタービルダーが専門の工場で良い材質を吟味して手作りで生産したギターを言います。個体差が大きいと言われるGibsonのアコースティックギターですが、カスタムショップ製であれば当たりの個体に出会える確率はあがると思われます。ただカスタムショップ製でないと音が良くないというわけでもなく、実際に手に取って試し弾きをしてみて気に入った音がするGibsonのアコースティックギターが自分にあったものということです。

カスタムショップ製のGibson J-45にはヘッドの裏側に「CUSTOM SHOP」のマークがあります。

2022年はGibsonJ-45誕生80周年

GibsonJ-45が誕生したのは1942年。80周年となった2022年には日本向けにも特集が組まれています。アーティストによる演奏がありその第一弾はなんと斉藤和義!!

Gibson J-45レビュー:慣れるまで時間がかかるが理想の音

僕のGibsonJ-45レビューです。正直なれるまでは時間がかかりましたが慣れると弾き語りするうえで最高にフィットするアコギだと感じています。前述しましたが音が中音域のため歌声の音域と重ならず、歌いやすいというのが最大の特徴だと思っています。

僕のGibsonJ-45のネックは太く(奥田民生が上記の動画でもネックが太い方が音が太い気がすると言っていますね。一方で斉藤和義はどちらかというと細いネックを好んでいるようです)、前述のとおりGibsonJ-45は中音域が出やすい(逆に低音域と高音域は少し音が出にくい)ためしっかり左手で弦を押さえないと音がでにくい感じがして、それまで使っていたYAHAMA LS20(ネックが細くエレキギターのような感覚で軽く弦を抑えるだけで音がクリアに出る)とは全く対照的でした。

GibsonJ-45を日々弾いていると少し左手が痛くなるため、弾かない日をつくったりして手を休めつつ半年ほどしてそれを乗り越えたときにようやく手に馴染じんで求めていた理想の音が出だした感じがありました

そんなGibson J-45でいろいろな音楽活動を楽しんでいます。関連記事をご参照ください。

関連記事:アコギGibson J-45にピックアップを取り付けてみた

関連記事:弾き語り宅録のパターン(録音の方法)-音源で聴き比べ

関連記事:アコギ弾き語りの録音一発録りパターン(その2)- 音源で聴き比べ

関連記事:斉藤和義の魅力(ファンとして勝手に語る)

コメント

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